日本のフェイスブックユーザー数がここに来て360万人を超えたようです。まだまだユーザーが増えそうですが、日本でのフェイスブックの使われ方は、フェイスブック発祥の地であるアメリカでの使われ方と少し趣きが異なる部分があるなと感じています。
私は、英語圏の友人や家族とのコミュニケーションのためにフェイスブックをかなり以前から使ってきました。最近になって仕事上の知り合いからのリクエストが増えてきたので、日本名でのアカウントを作ったところ、プライベートの英語でのアカウントとはまったくフェイスブックの使い方が異なってきているので、日米の違いという観点からまとめてみたらおもしろいかなと思って書いたのがこのエントリーです。
①一度も会ったこともない人から頻繁に友達リクエストが来る日本
もちろん、英語で使っている場合でも、知らない人からリクエストが来ることもありますし、アメリカでも、一回も会っていない人でも承認して何百、何千という友達の数を誇る人もいますが、大半の人は本当の知り合いを友達承認しているようです。実名なので、やっぱり本当に知っている人じゃないと怖いという側面もあるようです。一度あちらのニュースでも、「明日から旅行に行きます」とフェイスブック上で投稿したところ、留守中に泥棒に入られたというようなことが本当に取り上げられていました。笑えませんね。
むやみやたりに友達を増やして数自慢のようになっていることは、コメディアンのネタにもなって、Jimmy Kimmelという私も好きなコメディアンがいますが、彼の番組でも、本当に友達じゃないフェイスブックの友達を削除(unfreind)しようという「国民フェイスブック友達削除の日(National Unfriend Day)」がもうけられたなんてことで笑いをとったりしていました。
日本では会ったことがなくてもどんどんリクエストを送っていることがあると思いますし、リクエストを送られた方も、リクエストを断るのは悪いのではないかという罪悪感もあって、無差別に承認している人が結構多いように思います。でもそうなると、次の違いのところでも書きますが、発言内容がお友達向けの発言と変わってくるのは当然のことです。
②ウォールに投稿する内容がビジネス志向の日本
フェイスブックのよさの一つというのは、高橋誠さんという方がブログでおっしゃった、「Facebookは弱いつながりを維持しながら交流を深めるのに適したツール 」だと私も思ってます。例えば、高校や大学のときに一緒だった友達の場合に、フェイスブック以前だと、「わざわざ」連絡をとらないとまたつながりができることはなかったけれど、フェイスブックでお互いにニュースフィードアップしていっているだけで、ああ、こんなことやってんだなとか、なんとなくつながっているという状態をキープできるというイメージです。
ただ、弱いつながりといっても、どういう知り合いかすらもわからない「友達」が多いと、自ずとウォールに投稿する内容も、個人的なものは少なくなってくるのは当然のこと。ビジネスのお付き合いでお話するのと、家族や友人しかいない場所でお話することとはちょっと違いますよね。私の個人のアカウントだと、友達の娘がどこにいったとか、子供がしているゲームのアプリのおさそいが来たり、友達とお話している感覚ですが、現在のビジネス用アカウントでは、みなさん、オフィシャルな顔でのお話やビジネスにまつわる話が多いと思います。(まあ、その中にも個性が垣間見れておもしろくはありますが。)
http://www.checkfacebook.com/によると、現在、25〜34歳の社会人層の率が日本人ユーザーの中では33%と一番高く、35~44歳のシニア社会人層が23%ぐらいとなってきているので、日本でのフェイスブックの利用はビジネスでのつながりのための利用が主体であるのではないかと思います。18〜24歳の学生層が23%なので、今後もっと個人利用もでてくると思われます。それから個人とビジネスのアカウントを別々にもつ人が増えてくるとかも考えられますね。
ビジネス・ネットワークとしてのウェブ上の場所としては、アメリカではフェイスブックではなく、もうすぐ日本語版がスタートするLinkedin.comが主体です。日本でLinkedinが本格的に入ってきたら、フェイスブックとの区別がどうなっていくのか興味深いところです。
③家族同士がお友達のアメリカ人のフェイスブック
あと、アメリカでは、家族みんなでフェイスブックでつながっているパターンも見かけますが、日本ではまだあまり見かけません。アメリカ人では結構小さいときから(年齢制限あってもなかったりして。。。)フェイスブックに参加するケースも多いですが、その場合親としては心配なので自分も友達の一人として入れさせることを約束させるとかいうことが起こります。子供の生活をかいまみる大切なツールになってるんですね。子供が高校生や大学生になって親が子供のコメントに口をはさむようになると、そのうちに知らないうちに子供から「友達」から外されていたというようなこともしばしば起こっているようですが。。
日本の親子関係上、これって同じようになっていくのかを見ていくのもおもしろいかもと思っています。
フェイスブックという同じプラットフォームでも文化が違えば使われ方も異なる。文化人類学のテーマにもなりそうですって思ったりして。(そろそろ仕事に戻るのでこれぐらいで。。)