米国東海岸のあるボーディングスクールに、この秋から息子が行くことになったのですが、学校から送られてきた合格通知が、コピペの文章でなくパーソナライズされていたので、感心しました。
「君は数学に強いようなのでその点を評価したし、これまでやってきたスポーツもわが校でも力を入れてやっているので、君にぴったりだと思う」という感じです。
別のボーディングスクールに受かった知り合いの息子さんのところも聞くと、インタビューのときに話をしたことに触れて、「君のようなマルチに才能をもっている学生は自分たちの学校に合っている」と合格通知の中でいっていたということでした。
ここ最近、米国内だけでなく、アジアからの受験生の数が異常といえるほど増えて、東海岸のボーディングスクールはブランド校であればあるほど、狭き門となっています。ですので、ボーディングスクールを受験する子供たちは1校の決め打ちでなく、数校を受験するわけです。ここでおもしろいのが、合格するまでは学生を選ぶ権利は学校側にあるのですが、いったん合格通知が出されると、今度はどの学校を選ぶかという権利は受験した側、つまり学生側にうつるのです。成績優秀で、リーダーシップのある学生はどのボーディングスクールでも欲しい人材です。このような学生の場合、数校に合格するということも珍しいことではありません。合格通知が出されたあとに、再度学校を訪問するrevisit dayが通常設けられており、その学校に行くかどうかを迷っているような場合に訪問して、最終的に1校にコミットするのです。
学校側にとっては、自分の学校への、いわば、ロイヤルカスタマーを作らなければならないため、受験プロセスの間中、あの手この手で学校のアピールを学生たちにするわけです。そのひとつが合格通知のパーソナライズでしょう。自分のためだけに書かれた合格通知を受け取ったほうが、明らかに全員に対して同じ内容の合格通知を受け取るよりも、その学校に対する印象はよくなって当然です。
企業でも真似できるところはたくさんありそうです。