トニー・シュワルツさんというFortune500企業のコンサルティングをしているThe Energy Projectという会社の社長さんは、もとNYタイムズの記者でもあり、ニューズウィークの副編集長でもあり、ベストセラーの著者でもあります。
その人のブログの、「大変複雑な時代を生き抜くための10の原則("Ten Principles to Live by in Fiercely Complex Times")」を読んで、「なるほど」と思ったので紹介します。
1. 常に、「確実だ」ということについては問い正そう。自分自身についてはとくにそうあるべきだ。 (Always challenge certainty, especially your own.)
絶対正しいと思っているときでも、「何か足りないことはないか」と常に問いただすことが必要だ。すべてできているのであれば、何も他にやる必要がなくなる。
2. 秀でるということは、たゆまない戦いを続けることだといえるが、満足し続けようとするのであれば、これが一番確実な道である。(Excellence is an unrelenting struggle, but it's also the surest route to enduring satisfaction.)
教育ママで有名なAmy Chuaは正しい。秀でるための早道はない。常に練習を続け、早期に満足してしまわず、そして常に自分のコンフォート・ゾーン(居心地のよい空間)にチャレンジし続けることが必要である。
3. 感情は伝染する。なので自分の感情を知ることは役立つ。(Emotions are contagious, so it pays to know what you're feeling.)
今までで最高の上司のことを考えて、その上司がもたらした感情を思い出してみよう。その感情を自分の部下にも持ってもらえるように行動しよう。
4. 疑わしいときは、「最高の自分だったらどのように行動するだろうか」と問う。(When in doubt, ask yourself, "How would I behave here at my best?")
行くべきところと反対の方向に向かっているときでも、何が正しいことなのかを人は本能的にわかっているものだ。難しい状況に面したときに、最高の自分だったらどうするかと考えても思いつかないときは、自分の尊敬する人ならどうするかを考えよ。
5. 自分の好きなことをしているのであれば、それにお金がついてこようがこまいが、自分の仕事を好きになる。(If you do what you love, the money may or may not follow, but you'll love what you do.)
自分の心に従えば、富で報われると考えるのは迷信である。もたらされるのは、より豊かな人生である。好きなことをやっても物質的な豊かさが伴わなく、やっぱり物質的豊かさが大事なのであれば、次のプランを選択するまでのことだ。
6. 思っているより必要なものは少ない。(You need less than you think you do.)
人生を通して、より多くがよい良いことだと信じ込まされてきた。そして今持っているものは足りない、とも。これは失望の処方箋である。その代わりに自分にこう問おう。すでに持っているものが、あなたの人生にどれぐらいの価値を本当に与えたのか。それがなかったとしたらどうなのか。
7. あるがままの自分自身を受け入れよ、ただ、学んで成長することを絶対にやめてはいけない。 (Accept yourself exactly as you are but never stop trying to learn and grow.)
あるがままの自分を受け入れることと、成長していくことのどちらが欠けても足りない。自分を受け入れるだけであれば自己満足に陥るし、学んで成長しなければ、自分を不用意に責めるだけになる。この2つを同時に実現することで、自分自身を受け入れることで恐れを克服し、挫折に直面しても強くなれるのである。
8. 目的や意義は自分が発見するものではない。一歩毎に、創っていくものだ。(Meaning isn't something you discover, it's something you create, one step at a time.)
目的や意義は、自分自身より大きなことを実現するために、自分だけの持つスキルや情熱をどう表現していくかを見出そうとする中で生まれてくるものである。いかに最善な形で行うかは、一生涯かけて見つける挑戦であり、毎日新たに生まれてくるものだ。
9. 気がつかないものは変えれない。気がつかなくてもそれがなくなるということではない。(You can't change what you don't notice and not noticing won't make it go away.)
われわれ一人一人は無制限に自分自身をだますことができる能力を持っている。痛みを避けるために、正当化し、問題を最小化し、拒否して、無感覚になる。これを解決するには、自ら厳しく正直に自分自身を見つめられること、そして、自分がこのようになりたいという人物に責任をもってなることに他ならない。
10. 疑いをもったときは、自分が責任を取る。これが、本当の大人である。When in doubt, take responsibility. It's called being a true adult.
日本の政治家に聞かせたいね、まったく。