Curiosity killed the cat. (好奇心が猫を殺した)という英語の言い回しがある。九生あると言われる猫でも、好奇心が旺盛が災いして危険な目にあい、命を落とすということで、いらぬお節介や詮索には気をつけろといういましめの言葉でもある。
これを文字って、Pride kills talents.(プライドは才能を殺す)と思うわけである。「自分という存在を認める」という意味でのプライドがあることは非常に良いことだが、実は、自尊心のなさをカバーするためのプライドが多いわけで、これは本人の成長の大きな阻害要因だ。
自分がやっていることに対して、少しでも自分が思っていたことと違うコメントがされると「ムッ」とすることがあるという人は要注意である。実は自分自身を受け入れられず自信がないタイプである可能性がある。
とくに結構仕事のできる人にこのパターンが多いような気がする。仕事がある程度できると、もちろん自信もできるのであるが、主体が自分を認めてもらうことにややもすると移ってしまいがちで、周りが、「すごいね」といってくれなければプライドが傷つき、変な自己嫌悪におちいる。
上司がその人のことを常におだてる必要のあるような社員のことを、英語で「プリマドンナ」とよぶことがある。自分がスターでなければ、みんなが自分に常に関心を向けてくれなければ、「ぷぃっ」て怒るタイプの人たちである。
プリマドンナが職場にいると大変だ。上司や周りが常に気を使うことになる。
プリマドンナはスターなので、能力は結構高い。歌手や俳優という個人プレーの場合はありえるが、組織プレーである会社での仕事では、プリマドンナの能力以上に、チームの能力は伸びない。
プライドは、才能を殺すわけである。
私の好きな言葉に「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」という言葉がある。謙虚に学び続けよという言葉である。いくら仕事ができても、いくら知識があっても、必ず自分がもっていない知識をもっている人たちはいるし、自分よりももっと仕事ができる人たちはいる。
本当のプライドは、おごりを捨てて、学ぶときは子供にでも頭を下げれるところにある。あるがままの自分を受けて入れることのできる人だけがこれができる。
人間としての成長が、仕事人としての成長であると思う。自分自身も気をつけていきたい。