経営者は欲深い。経営者がとくに欲をもっているのは自分の会社に対してだろう。普通は、自分に欲があって、「こうなりたい」とか「もっとこれやあれが欲しい」「これをしてみたい」と思うが、経営者は、もちろん自分への欲もあるが、それ以上に会社に対する欲が強い。
いくら冷静に装っていても、内面は強い感情が逆巻いているのが経営者だ。そんな強い思いがなければ経営はやっていけない。たとえば、自社の社員がやめるとする。もちろん問題を起こしてやめた社員は論外であるが、その社員への思い入れがあったならばあったほど、「旅立っていった」などと涼しい顔をしてエールを送れないものである。
社長だけが会社の経営者ではない。誰しもがこのような経営者の「欲深さ」をもった段階で経営者となる。会社に対して本当に欲深い人が何人いるかで、本当に会社は生きもし、死にもする。