7月31日に経済産業省では「情報システムのパフォーマンスベース契約に関する調査研究」報告書として取りまとめまて公表されました。
昨年に続き今年もその報告書の中に、弊社のレコメンドサービス「アイジェントASP」がパフォーマンスベース契約の成功例のひとつとして取り上げられました。
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経済産業省では、情報システムの取引において、現行の「人月方式」以外での価格決定方法を模索するため、情報システムの付加価値に着目して価格を決定する「パフォーマンスベース契約」について検討を行ってきたとのことですが、調査の目的としては、「優れた品質や高い効果を創出するシステムを構築できる付加価値の高いベンダがきちんと評価されるような市場構造が確立されなければ、情報サービス産業全体が健全な発展を遂げることができない。」などがあげられています。
日本初のパフォーマンスベースのレコメンドサービス「アイジェントASP」を2004年にリリースした弊社としましても、パフォーマンスベース契約への理解がより浸透することで、情報サービス産業全体の価値提供の向上に貢献できるように、今後とも取り組んでいきたいと考えています。
もうひとつ、報告書の中では、ベンダーと企業側の「Win-Winな関係」樹立がパフォーマンスベース契約というモデルが成功するかどうかのカギであるとかかれています。
これは、本当に痛切に感じるところです。いくら、ベンダー側が「価値」を提供しようとしても、もし受けて側が「価値」を「価格の低さ」だけに求めるのであれば、Win-Win関係は成り立ちません。また、その逆もしかりです。Win-Win関係は、大人のビジネス関係であり、双方に関係をフェアに保とうという責任感がなければ実現はしません。(その分、関係は適度な緊張があり、その結果、サービスの質は自ずと上がるべきですが。)
これは労使関係にもあてはまるんじゃないかと思います。経営側と従業員側の間にWin-Winの契約関係があるべきですが、どうも「奉仕」や「献身」の美学が先に褒めそやされる傾向が日本では多いのではないかと思います。「労働」というサービスの提供側と受け手側に対等の立場が存在しにくいのではないかと思うことがあります。
そういえば、昔「甘えの構造」という本がベストセラーになりました。日本人の社会は、良き「甘え」が消失し、一方的な「甘やかし」や独りよがりの「甘ったれ」が目立つ世になったという内容です。今でも読み継がれているようです。
パフォーマンスベースは提供側と提供される側のどちらに「甘えの構造」があっても成り立ちにくいです。パフォーマンスベースは、競争の論理がそのまま活かされているビジネスモデルだと思います。より競争が激しさをます国際社会で日本企業が残っていくためにも、大人のビジネス関係がなければ成り立たないパフォーマンスベース契約の普及は考え方の参考となるのではないかと思う次第です。