EC(通販)サイトで、消費者が買い物することが当たり前になった現在、ますますECサイト間の競争が激しくなっています。これは、検索ツールやブログの普及により、消費者がもつ情報量が以前とは比較にならないほど増えたからです。今まではECサイトの競争優位性として、「コスト」が上げられるのが通例でした。(つまり安くものを売っているサイトに人が集まるということです。)
しかし、MITの研究によると、サイトの品質が信頼できるサイトに対しては、通常よりも高い金額を払っても消費者は買い物することがわかっています。
それでは、消費者は、ECサイトの品質を何で判断しているのか。
1) ウェブサイト上での経験(インタラクション)
2) 商品の配達
3) トラブル対応
の3つがあげられるようです。
特に1)として、『使い勝手のよさ』があげられています。ユーザーが考えなくても早くに探している商品にたどりつけるというところが大事です。
レコメンドの持つナビゲーション機能が力を発揮する一場面です。
(レコメンドの場合、サイト側が意図的にある商品に誘導するのではなく顧客が望むであろう商品へ表示するというところが「みそ」です。)
これ以外に『プライバシー』や『シンプルデザイン』『機能への信頼性』そして、『情報の正確さと鮮度』があげられています。
私も、個人の消費者としてサイトを利用しているときに、いつまでたっても自分の欲しい情報が手に入らないナビゲーションの悪いサイトは、いらいらしてすぐに離脱してしまいますので、実感として理解できます。また、以前にある化粧品サイト(弊社のお客様ではないです!)で商品を注文したときに、なんと1ヶ月近くまたされ、しかも品切れありという経験がありました。そんなサイトで2度と買い物をしませんよね。
消費者のためにいかに上手に情報をパッケージ化して見せてあげれるかが今後のかぎになりそうです。別の研究ですが、欲しい商品にすぐにたどりつけるように、商品に直接関係ないコンテンツをたくさんのせるのはマイナスではないかという考え方がありますが、実はその逆だそうです。
いろいろなコンテンツをのせることで、販売実績があがるという結果がでているということですが、やはり、コンテンツが整理されて見やすいことが前提ではあります。
ここでご紹介したことは当たり前のことではありますが、今後のウェブサイトのトータルQC(品質管理)を考えていく上でのアプローチを決める一助になれば幸いです。
今回ご紹介したペーパーは:
"How Do Customers Judge Quality in an E-tailer?" by Joel E. Collier and Carol C. Bienstock です。MIT Sloan Managementの出版で販売されています。