「パーソナライゼーション」という言葉を聞くことが近頃ほとんどなくなっています。Don Peppersのワン・ツー・ワンマーケティングがマーケティング業界を席巻しましたが、その後、インターネットこそ、手作業では実現できない「ワン・ツー・ワン・マーケティング」を自動化できるプラットフォームであるということで、ウェブサイトのパーソナライゼーションが必須だといわれた時代がありました。
もちろんその立役者はアマゾンドットコムであり、パーソナライゼーション実現の技術の一つとして「レコメンデーション」技術が注目をあびたのですが、それがちょうど、弊社が設立された10年ほど前のことです。(ちなみに、うちの会社は日本のレコメンド専門企業として設立された最初の会社です。。。)
その当時アメリカでは、大手のレコメンドへ企業が活躍してましたね。大変高額なソリューションを販売していて上場もしてました。日本にも進出していました。そのうち、他の多くの企業も簡易だけど安価なレコメンド・ソフトウェアを出してきて、市場のすそ野を広げようとした結果、①そんな高い金を払う割にパーソナライゼーションって効果でないんじゃないか、②安いのはいいけど、全然効果が上がらない、いれてもしょうがない・・・なんやかんやで、パーソナライゼーション過大評価されすぎなんて記事もでて、ブームが収束してしまったということが起こりました。隆盛を誇った上場組も今ではほとんど残っていません。
ただ、アメリカでは、今も「パーソナライゼーション」は風化するどころか、WEB2.0ではますます大事な戦略ということでAOLやYahooといった大手を筆頭に取り組まれており、ご存じのとおりYoutubeなどでもよりパーソナルにということでレコメンドサービスが導入されたりでにぎわってます。もちろんパーソナライゼーションの実現のための技術としてレコメンドは現在第2次ブーム。新たな技術やビジネスモデルを磨いてきた企業たちが出現してます。
こういった歴史からも、ウェブビジネスにおいて機能や技術は必須で重要なものではあるが、技術だけが先行してはならないということが窺えるのではないでしょうか。「サイトをパーソナルにしていく」や「ユーザーが情報に辿りやすくする」といった考え方(戦略)があってこそ、それを実現するための技術を導入しようと考えるのが本筋ではないでしょうか。
この話をしだすと熱くなって長く語ってしまうので、また今度にしますが、英文ですが、パーソナライゼーションは技術ではなく、「考え方」であるというちょっと前の記事があるのでご紹介しておきます。
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