デジタル化、イ ンターネット化の恩恵で、オンライン通販サイトから非常に多くの商品が入手できるようになりました。上位2割の主流商品だけでなく、いわゆるロングテール でいうところの、これまでは実店舗にならぶことがなかったその他多くの商品をオンラインでは扱えるようになったからです。
ただ、今まで以上の商品をサイトで販売しようとすればするほど、消費者にとっては興味ある商品を探すのが大変になるのは当然のこと。その問題を解決 するために、インターネットならではのツールが脚光を浴びました。そのツールとは、まさしくサーチツール、レコメンデーションツール、サンプリングツー ル。これは皆さんもよくご存知のところです。
ところでロングテール効果は、インターネットにおける情報発信のインタラクティブ性がより向上することにより、さらに加速されたことも注目ポイント です。つまり、旧来は商品情報は店側からの一方的発信だけでした。ところがブログといったWeb2.0ツールの台頭で、これまで「買う人」の役割だけをし ていた消費者が、商品の情報を発信するコンテンツ・プロデューサーの役割も担うことになったのです。
この動きにより、商品情報を探すツールに、製品レビュー、オンライン・コミュニティ、製品を書いたブログなどが加わることになりました。
そして消費者が情報発信者になったことにより、ニッチな部分の情報もより掘り下げられて深い情報が一般的に提供されるようになりました。
こういったテール部分の売上増は、市場構造も変えていっているようです。ロングテール効果は、これまでのべき乗の法則(いわゆる2・8の法則です) を崩してきているようです。MITのBrynjolfsson教授が行った調査で、ある企業の同一商品を扱っているオンライン通販とカタログ通販の購買 データを比較したところ、カタログ通販では、上位20%の製品が8割の売上をしていました。まさに教科書どおりです。はたして、オンライン通販では上位 20%が7割の売上をしているという変化が見られたということです。
消費者自身が情報発信者になったことで、より多種の新しい商品情報が、店が予期せぬ形で、発信されており、消費者嗜好と需要パターンがますます変化してくることが予期されます。
これまでのブリック・アンド・モルタルの定石が、オンラインでは通用しなくなりそうです。リアルタイムで消費者動向をとらえ、適切なアクションをとれるレコメンデーションがますます注目されているのも大きく頷けるわけですね。
弊社では今後も、レコメンデーションから窺える消費者行動のナレッジの活用をご提案していきます。
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