6月号のHarvard Business Reviewに「Innovation in Turbulent Times」という記事がのっており、大変おもしろく読みました。
内容としては、企業が投入できるリソースが少ない中、成長の鍵は、左脳で考える人と右脳で考える人を経営者として組み合わせるということだということです。
アップルのスティーブ・ジョブは典型的な右脳Thinkerですし、ココ・シャネルもそうですが、彼らのビジネスとしての成功は彼らを支えた左脳Thinkerがいなければ得られなかったと記事では分析しています。
【おさらい】
左脳Thinkerの特徴としては、
- 合理的、論理的、リニア
- 分析的
- 言語、文法、言葉を使う
- 客観的
- 時間にうるさい、またはこだわる
- 正確
右脳Thinkerの特徴としては、
- 創造的、直観的
- パターンを合成していける、全体像を見る
- 可視化、絵、ジェスチャー
- 知覚的、比ゆ的
- 主観的
- 時間をきにしない
- 曖昧、パラドックス
データや数字をベースに考える左脳Thinkerは、いわゆるマネジメントとしては大変優秀でしょうが、ややもすると新しいアイデアやイノベーションに気づかずに、逆にそれらを殺してしまう傾向があるようです。(私もどちらかというと左脳側ですので、これは反省するところです。)どちらかというとビジネスの世界にはこちらのタイプが多いですし、研修などでも論理的思考などといった左脳Thinkerになるためのものが多いですよね。
IT業界では、エンジニア抜きには語れませんが、エンジニアというと左脳Thinkerが多いのではないかと思うのですが、ただ、技術にベースをおいた新しいビジネスモデルや技術を作りだしていくには、右脳が必須。右脳Thinkerであるエンジニアをどのように探して、活躍してもらえるかが重要なKSFになるのではないかと考えます。
それはそうと、国籍によるタイプというものもあるような気がします。単純にこの国の人は左脳型が多いとか少ないという議論はできないのですが、国民性というのは確かに存在しますね。
私達の会社で、10年以上、日本人のエンジニアの方と外国人のエンジニアの方が共生してサービスを作ってきました。すると、日本人と外国人(とくに西洋人)のエンジニアでは得意分野が異なる場合が多いのを痛感しています。日本人のエンジニアさんは、サービスを本当にかっちりとしたものに作りあげることが上手。品質というところでは、右にでるものはないというぐらいです。外国人(とくに西洋人)のエンジニアさんは、新しいものを作り出すことが比較的得意。ただし、日本人の満足するサービスをきめ細かく作れるかというと、そこは?が。
ある韓国人の社長さんと御話をしたときにも、同じ感想をおっしゃっていました。
グローバリゼーションの時代は、いかに異質なものを組み合わせてよりパワフルなものを作れるかが勝負ですが、そういう意味でも、異なる文化をもったエンジニアさんたちの共生には意味があると思います。ただし、お互いの異なる文化を受け入れる素地をそれぞれがもっていないと、結構大変ではあります。