"Roast"というとのは、あの「ローストビーフ」の「ロースト」の「ロースト」で、日本語に訳すと、「あぶる」とか「オーブンで焼く」とかいう言葉ですが、実は、アメリカならではのおもしろいイベントを指すことがあります。
"Roast"というのは、ひとりの人を選びだしてみんなの前でその人のことを、よってたかっておもしろおかしく攻撃するイベントのことをいいます。「攻撃」といっても、通常Roastの趣旨はその人の功績をたたえることなので、愛情たっぷりに毒舌を投げつけるわけですが、かなり際どいジョークが飛び交い、たまにはローストされる本人もムッとしたりして、見ている方も「えー、あそこまで言って許されるの」というような発言が続出。日本じゃまずその後に遺恨が残っちゃいそうでできない話だと思います。さすがアメリカならではのイベントです。もともと、コメディと風刺が近い国ですから許されちゃうんですね。
有名人のローストは一般にも放映されます。ホワイトハウスの記者クラブでは、大統領の”ロースト"を行ったりするぐらいです。Youtubeでもいくつかアップされているので、英語がわかる人にはおもしろいかも。金髪の美人モデルで、プレイボーイの表紙をなんと11回も飾った「パメラ・アンダーソン(Pamela Andreson)」もローストされてましたが、さすがに何回か怒ってました。
最近のTwitterなどで、結構○○のアカウントが攻撃されて炎上なんて話が増えていますが、もちろん、攻撃されて然るべき場合もあったのでしょうが、一部には、自分は傷つかないところから尻馬的に攻撃するということもなきにしもあらずと思う次第です。周りがいっているからではなく、真実を見極めてから自分の意見を持つということが、ソーシャルの時代にますます求められているのではないでしょうか。
ローストでは、ローストされる側も、毒舌や批判などを広い気持ちで受け入れることのできる必要があるということです(そりゃそうでしょうね)が、結局はお互いの間に信頼関係があれば、ジョークで笑ってすませられることも多いはず、というのが基本姿勢です。薄いつながりの人間関係が広がりがちなソーシャルのコミュニティでも、相手のことを慮る気持ち(ホスピタリティ)を大事にしていきたいものです。