1to1を嗜好しているという企業であっても、まだセグメンテーションという言葉を重視する傾向があるというのはどういうことなのでしょうか。
個別のユーザーに対して、ベストは個別にあった内容を提供していくことに対して、セグメンテーションというものは真っ向に対峙するものであるはずです。
でもやはりこれまでのデータマイニングやマーケティング手法は年齢、地域、性別などをベースにしたセグメンテーション(クラスタリングも結局グルーピングしていくので、ある意味でのセグメントをデータの中に作っていくという意味で一緒ですね)であり、そこを教えられた人たちに、ここから脱却して真の1to1に行こうというのは、意識がなかなか抜けきらないということでしょうか。
ルールを作るというのは大変日本人は好きなような気がします。型にはめると大変やりやすい側面は確かにあります。ただ、一人一人の人に別々のルールを作るのはマニュアルでは不可能なので、セグメンテーションにわけてルールを設定する手法以外はないわけです。ルールは増えることはあっても減ることはありません。
そうなるといつか運用ができなくなってしまうわけですが、それでもルールが必要だという主張は強いのではないかと思います。
ある程度の商売上の決まり事はルール化できるでしょうが、やはり個別のユーザーはそれぞれ違うニーズをもっています。それら全て想定したルールは絶対に作れません。
CRM=顧客対応ルール=マニュアル化はやはり違うと思います。実店舗でもウェブの店舗でも、望まれるのは個別ユーザーへの臨機応変な対応。そしてウェブは、それを実現する技術が台頭してきているはず。また真のパーソナライゼーションはウェブだからこそ実現しやすい。
ルールを否定するわけではありませんが、やはり過去のデータを切り出して、マイニングすることと、次に何をユーザーが欲するのかを「予測」して一歩先の対応することと意味が大きく違います。
予測の力ーーこれこそ、先端技術のもたらすパワーです。