昨日オプト社が、通販サイト向けコンテンツ配信サービスを開始するというニュースが出て、オプト社の株価が急騰したという記事がありました。
現在のレコメンド市場の何を見て参入したのか、考えるにはちょっと興味深いです。
10年ぐらい前に、まだレコメンデーションが、どちらかというとパーソナライゼーションという形で市場にアピールされていた時に、日本のNECや富士通といった大手企業がレコメンデーションソフトウェアに参入したことを思い出します。
当時は、また、サーバに組み入れられたり、CRMシステムの一機能として提供されたりということが頻繁にプレス発表されており、(実際にまだその機能を保っている製品群はあります。)レコメンド(パーソナライズ)機能は「must-have」(なくてはならない)となりました。大手が、必要な機能のひとつと認識して追加してきたということは、以前にも起こりました。
しかしながら、2002年7月号のCIOMagazineにも掲載されていたように、
「しかし、既製のITプロダクトは、あくまでもツールであり、その威力を十分に引き出せるかどうかは、個々のユーザーの戦略や自助努力にかかっている。
したがって、ユーザー企業は、自社ビジネス(eコマース)のコアを正確に把握し、そこに必要とされるパーソナライゼーションの仕組みとは何なの
か、もしくは、そもそもパーソナライゼーションが必要なのかどうかを正確に見定めておく必要がある。そのうえで、明確な戦略を策定し、パーソナライゼー
ションの仕組みを実装しなければならない。
もし、それを怠れば、パーソナライゼーションによるワン・ツー・ワン・マーケティングの自動化も、自社ビジネスの拡大も、単なる「夢物語」に終わるのである。」
大手参入にもかかわらず、市場はいったん沈静化しました。(この分析はまた別途。)
現在のレコメンド市場化第2期(インターネット市場においてレコメンドがある一定のポジションをもって理解され、また利用されているという時期として、2回目という意味。1回目は弊社が創業した98年から5年間ほどと考えられる)が、成熟する前に終わってしまった第1期と比べて、第2期の市場成熟のスピードはかなり速いのではと感じています。レコメンドが単なる機能でなく、次にどういう戦略ツールとして進化できるかどうかが、インターネット市場における今後のレコメンドの果たす役割を決定することは間違いありません。