成果報酬という支払いのスタイルがあるが、これは今後、より日本で広まるのだろうか。
まず、成果報酬というのは、封建社会ではありえないコンセプトなのは明白だろう。お殿様が家来に、家来が与える価値で払うということはしない。あくまでも、使う側(お殿様)が上位にたっているわけだ。支払いは、この場合、お殿様が認めた「奉仕」部分に対してなされる。あくまでも、仕事を与えてやったのはお殿様なので、この関係性に対して何か意見する権利は家来側にはない。
「価値」に対して支払いをするというのは、お互いが本当に平等な立場にあることがまず大前提である。会社と下請けがあるという旧来の構図では、ベンダーは「奉仕」せねばならず、そこに平等な立場は存在しない。
残念ながら、ベンダー=下請け、または、契約を与えてやっているのだから自分たちのいうとおりにして当然というメンタリティは、日本企業社会にまだ残っている。これは双方にとってよろしくない。例えば、この前クレーン車が民家に倒れ込んだというニュースがあったが、そのニュースを解説している人がいっていたことだが、不況で、建設会社がコスト削減を下請け会社に押し付ける。下請け会社は、しょうがなく、働いている人たちに対してコスト削減をするしかない。そうすると、働いている人の質やモチベーションが落ちて、安全対策がおろそかになる。
自己利益を優先しすぎると、全体利益がおろそかになる。
もちろん企業は競争原理の中に生きているのであるから、自己利益は大切であるが、成熟した、視野を広くもてる企業であれば、自己利益ばかり追求すると、全体利益が損なわれ、結局自己利益がなくなるということを理解しているはずである。
これこそ、CSR(企業の社会的責任)の根本だと思うのだが。。。
近江商人の家訓は、「売り手よし、買い手よし、世間よし」だったそうだ。
近江商人であれば、WinWinの関係が必要な成果報酬型は気に入ったことと思う。