本日プレスリリースを出したのが、シルバーエッグ・テクノロジーの新しいソリューション『クリックストーム』です。これは全く新しいタイプの閲覧ベースのレコメンド技術です。
現在でも、動画やニュース記事といったコンテンツサイトでレコメンドを見ることができます。それらのレコメンドはほとんどが閲覧をベースにしたものですが、これらにはほとんどといってよいほど、ECサイト向けの技術がそのまま使われています。
それではなぜそれに問題があるか、というところが大切です。
1)まず、閲覧というクリック行動における信頼性(つまりどれほどそのクリックがそのユーザーの興味の深さを示しているかということ)は薄いということです。そうすると、いわゆる「ノイズ」(雑音)が非常に多いので、嗜好や興味を表明したレコメンドの算出は難しいわけです。なので全般的に閲覧というクリック行動だけをベースにしたレコメンドは、これまでの技術を用いた場合、レコメンドの精度という意味では低くならざるを得ません。
2)コンテンツでは、ECと比較してコンテンツの回転が非常に早い。例えばニュース記事を考えてもそうですが、どんどんと新しい記事がでてくる。しかしながら、ユーザーの嗜好はその記事にずっとあるわけでなく、次の新しい記事にうつる。つまり、商品であればある程度、ユーザーの嗜好が各商品毎にたまっていくのですが、コンテンツの場合、そうでない場合がほとんど。
現在ECサイト向けに使われている協調フィルタリング技術の場合、簡易な技術であればあるほど、協調フィルタリング特有の欠点を強く持ちます。すなわち、データがたまっていないと(または膨大な量がないと)うまくおすすめができないので、新商品や新ユーザーにおすすめできないとか、大規模サイトでないとうまく行かないという問題です。コンテンツサイトでは、協調フィルタリングが大苦手なその特質をもっているわけです。これは実はECサイトでも同じことです。アマゾンのような大手のサイトでもこれを解決するために、アイテムベースの協調フィルタリングにしたりということをしていますが、シルバーエッグのアイジェントがリアルタイムで相関を作れるというのもまさしくこの問題の解決に役立っています。
なにはともあれ、今回のクリックストームというソリューションは、その問題を解決するものとなっています。
もう一つ注目すべきは、クリックストームは、サイト内のユーザーの行動をリアルタイムに解析できることです。
現在みているものが同じものでも、それぞれのユーザーがそのトピックに興味をいだいているところは別の場合があります。例えば、いまGM破産の記事をよんでいても、本当は、GMの興味をもっているのか、はたまた、アメリカ経済に興味をもっているのかはユーザーによって異なります。クリックストームは、各ユーザーの興味の内容をそのユーザーのクリック履歴からよみとって、ベストな次のコンテンツを提示することができます。
新しいソリューションとして、あさってからのweb2.0展示会でもご説明しております。