レコメンデーションはレコメンデーションからの売上さえ上がれば効果がでていると見なすべきなのか。
いや、それは違うと考えている。レコメンデーションの効果としては次のことが考えられる。
■売上の増加 購買動機の促進
■受注件数の増加 購買点数の増加
■訪問回数の増加 顧客満足度アップに伴う訪問回数の増加
【可視化しにくい部分】
■紹介・口コミ効果 販促コストの低減
■マージナルコスト削減 相対的な管理経費の削減
■顧客離反の減少 顧客生涯価値の増加
■顧客ナレッジの増加 商品相関、顧客嗜好情報の取得
本来は複数のKPIを継続的に測定し、それらからレコメンデーションの効果を算出すべきであるが、なかなかその基本的な部分をされずに、直接的な売上だけが注目されることが多いと思われる。レコメンデーションは導入して終りではなくその後のメンテナンスが大切である。その部分がなければ、上記のような効果が長期的に持続されない。
売上のアップについても、長期的な視点に立てば、売上の質を問うべきであろう。レコメンデーションでセール商品が売れれば、レコメンデーションからの売上は自ずとアップするわけであるが、本来セール商品をレコメンド表示するべきかどうかという論点もあるわけである。
やはり導入企業側におかれても、よりレコメンデーションの「質」について追及をしていただきたい。それがひいては、レコメンデーション業界全体の「質」を向上させることになるからである。レコメンデーションの「質」=サイトの信頼度に他ならない。ある大手サイトで、このたび、サイトリニューアルがあった。そこは以前にいれていたレコメンド機能を外されたようだ。(ちなみに弊社のレコメンデーションではないです。)直接その理由をおうかがいするチャンスがあったのだが、やはり自分たちから見ていてもあまり質のよいレコメンド表示がされておらず、ユーザー視点から見てもそれならばやらない方がまし、というところが理由のひとつとであったということだ。常々弊社社長フォーリーがいっているとおり、「質の悪いレコメンドならばやらないほうがまし」をまさに地で行かれたようだ。
ただ、これはレコメンデーション業界にとっては本当にマイナスの話である。
レコメンデーションのコモディティ化を防ぎ、真の価値をサイトビジネスに提供していくことを、我々レコメンデーション技術を提供する側がもっと真剣に取り組まねばならない。