いつの日経新聞か忘れましたが、マドンナ(歌手)について書いた記事がありました。それによると、マドンナは今でも稼ぎ頭なのは、従来のCDを売ることを捨てて、まったく新しいやり方に変えたからというような内容でした。
これまで歌手はとにかくCDを売ろうとしていたのですが、マドンナはアルバムにある曲をオンラインで(無料)配信し、収益はそれをてこにしてコンサートに来てもらうことでとるという形に変えたということです。
考えてみると、CDを1枚買うのと、コンサートに行くとしたら、しかも友達や家族で行くとすれば、そちらの方が絶対に収益は上がるわけです。
現在の音楽業界の状況に見事にadaptable(適応)したすばらしい変身であり、環境に適応したものとして現在の勝者としてのマドンナがあるのでしょう。
実はある本を読んでいたときに、「個人の技を時代の波が飲み込む」というくだりがありました。いかに、個人の技を職人が極めたとしても、時代がその技を必要としない場合にその努力は何もうまないということは本当に多々あります。大量生産の中で、職人が必要なくなっていくのです。(もちろん、その抵抗として、職人技がもてはやされるということはありますがいずれにしてもロングテールの域を得ず、メインストリームにはなりえていないのが現状ではないかと思います。)
日本は伝統的に職人の存在を大事にする社会です。ただ、経営者としては、この時代の流れというものがあることを肝に銘じておく必要があるのではないでしょうか。そうでなければ、会社自身が時代の流れに飲まれてしまうということになってしまうと思います。