米Yahooが、12月17日に自社のユーザーログを取得後90日以内に匿名化すると発表しました。(CNETの記事はこちら。)米国のあちらこちらのBLOGにも、この話題は大きく取り上げられているようです。
これに反して、Googleはというと、本年にユーザーログを取得した後、9カ月で匿名化することを発表していますが、これ自身も、その少し前に18カ月と発表しましたが、米国やEUの規制団体の圧力があって、かなり短縮したようです。今回の米ヤフーはさらにそれを上回るものです。
今回のYahooのとった措置にはいろいろな見方ができると思いますが、米国のブログなどでも、今回の措置は、現状の米国Yahooの状態を見るかぎり、人々の歓心を得るためじゃないかとか、自分たちはプライバシー問題に非常に気を使っているということをプロモートするためだけにやったんじゃないかなどと言われています。また、Googleの力を弱めるためじゃないかなんて声もあるようです。
というのも、Googleは自分たちが検索エンジンとして「価値」を提供するのに、最低9ヶ月は必要だといっていること、また、Googleはこれらのデータを本当にうまく活用していると思われるため、データ量が少なくなれば、大きな影響を受けるのは、YahooではなくGoogleであると思われるからです。
それにしても90日間のデータであると、季節変動要素も取りにくいと思われますが、本当にどのような検索結果になるんでしょうね。
プライバシーの問題が取りざたされて久しいですが、必ずしも個人のデータを公開することが悪いことではないはずです。プライバシー濫用の話と、データを利用した価値提供の話が大きく混同されてしまっていると思います。
人間の関係を考えても、親しくなるためにはお互いの情報を公開しあうことなしには、親しくなれないです。また、お店でも、お客さんのことをよく知らないと、よいサービス(価値)は提供できません。
ここで、情報を公開してもよいと思わせるような「信頼関係」を作ることが、お店やEビジネスを営むサイトの大きな責任であるということを理解すべきでしょう。
現に、アマゾンは、顧客からのデータを元にして、大きな価値の提供に成功しています。
顧客から得たデータはそのままではナレッジになりません。データを戦略的なビジネス資産にどのように転換できるか。今後、これを実現できるところが、勝者となっていくのは間違いありません。