本日(2012年4月24日)の日経新聞の大演出家・蜷川幸雄さんの「私の履歴書」を
読みました。
その中で蜷川さんは、当時演出家という職業が成り立たたず、自分が稼げない間、
女優の奥さんの才能を活かし、また家計を支えてもらうために、
自分が子育てを引き受けて主夫をしたと書かれています。
そんなときに、商業演劇の仕事をしたことで当時の仲間から呼び出されて
批判されたそうですが、その場で解散をきめて我が道を行くことにしたそうです。
そのときの心の支えが、ダンテの神曲の一節である
「汝の道を歩め。人々をしてその語るに任せよ。」という
ことだと書かれていました。
いみじくも、第1面の「春秋」には、ハーバードといった米国の名門大学
は、テスト結果の数字だけでは合格しない、考え方や行動の特性や
知的想像力などを面接や高校教師の証言で判断する。つまり、
人と違う何かを持つものに機会を与えるのだ、とありました。
同一性を求めがちな日本の中で、「異なる」ことは大変な挑戦です。
その挑戦をみごとにものにしたところに、蜷川さんの今日の成功があるのだと納得しました。
周りがどう言おうとも自らの道を歩む、自らの信念のとおり行動する。
改めてその重要性に気づかされたコラムでした。