本日の日経新聞の朝刊一面にデカデカとでていた見出しは、
「将来見えぬ増税策」
日経も結構言うな、というぐらい、今回の税制税制改変には批判的なコメント。
今回の改変の内容は、
高額所得者の税金を増やす、相続税を増やす、法人税は5%引き下げ、などということですが、
これ見たときに、日本はますますダメになると思いましたね。
日本社会には、根本的に「清貧」思想があり、いわゆる金持ち、成金は悪く、金持ちが失敗して
貧しくなる(つまり自分たちと一緒の境遇)ことを喜ぶ傾向があると思います。
「一億総中流階級」という言葉がかなり前にありましたが、それも周りが自分と同じレベルで
あれば安心だということであり、やはり横並びの精神がこの国には蔓延してしまっているのでしょうか。
元ライブドアの社長、俗称「ホリエモン」さんの『拝金』という小説が少し前にTwitter上でも
話題になっていました。あの小説には、「金」の力とそれに群がる人間模様が、実際に起こった
であろうことをベースにして書いてあったのですが、今回の税制改変は『拝金』にでてくるような
ベンチャー成功者たちを、心の中では「よし」と思っていない人たちが考え出したように
思えてなりません。
ベンチャーでの成功は、すなわち社会でのサクセスストーリーを描くということです。
日本は体制派が勝ってきた社会です。近代社会における体制派とは、官僚を含めた政府であり
大企業です。ベンチャービジネスでの成功とは、体制派でないとどうにもならないといった
あきらめから来る閉塞感を打ち破ることであり、小さい存在であっても力さえあれば
成功できるということを証明し、社会により活力を吹き込むことです。
そしてその報酬として、「金」というものもついてくるのは当然だと思います。
金持ちになったらもっと税金がひかれる、また、せっかく金をもっても、子供に残す金は
なくなる(日本の相続税ではどんな金持ちでも3代もたないといわれてきましたが、
今回2代持たないということになりかねません)、
5%ぐらい会社も減税してもらっても、じゃあ、それを社員にすぐに還元できるのかというと
それは別問題です。
今日本に必要なのは、「活力」をもたらせるリーダーの存在です。リーダーは政治家とは
かぎりません。ビジネス社会から活力をもたらす多くのリーダーたち(ベンチャー経営者たち)が
でてくれば、社会はもっと変わっていくのではないでしょうか。
それとも、そういった人材というのは、そろそろ日本に見切りをつけて海外で飛躍していくのでしょうか。
いずれにしても、「頑張れニッポン」といっている場合でなく、「どうするニッポン」ですよ、日本、聞いてる?