「業者」という言葉は本来中立的な言葉であり、○○業者(例、施工業者など)というようにも使われるが、その一方で、「業者に持ってこさせる」「業者泣かせ」といったように使われるなど、企業と対等な関係にいるというよりは、自分たちの商品やサービスを「納めさせていただく」という身分上下の「下」に位置するような立場になっているように思われるからだ。
資本主義の世界であるため、見合った対価を自分が欲するものに対して支払うべきであり、その意味においてお客様と商品やサービスの提供先の関係は、BtoBであろうがBtoCであろうが対等であるべきであるにもかかわらず、現実的にはお金を出す側の方が力関係では上となることが多い。この対等でない力関係に泣かされてる業者も多いと思う。
お金の要素だけでなく、このお客様と提供先の力関係のアンバランスを生み出しているものがもう一つある。それは、世の中には肩書きや地位が与えられるとあたかも自分がえらくなったように誤解する人たちの存在である。
これが結構多い。
この人たちは、肩書きをとれば普通の「人」であるのだが、なぜか自分が力を与えられた勘違いしてしまう。
そうすると、自分のパワーがあるからこそ、この業者は自分の会社と取引できているのだと思い、そのような言動をとるケースが結構見られる。
ダイエーでは、そのようなことがあってはならないということで、ある時期に「業者」という言葉を使うことを禁止し、「取引先」に用語を統一したそうだ。これはダイエーが隆々としていたころの話ではあるが。。
上記のような勘違いは、対取引先企業だけでなく、自分より目下だと思う人間に対しても起こりえる。
ある人の人物像を知ろうとすると、会社にいる一般社員の若い女性に話を聞くのが一番早い。上司に対してきちんとしていても、自分より役職が下の人間に対してどのような態度をとっているかを一番よくわかる人たちだからである。
相手の分け隔てなく(レッテルをはらず)、1人の人間として接する。
そんなことができる人がもっと増えてほしいと思う今日この頃である。