楽天が社内会議を英語ベースに変えたという記事がありました。同社は、海外展開に力を入れているので社内国際化のためにもそういう判断をしたのだろうといろいろなところで読みました。
でもそれで楽天が国際化できるかどうかは、まったくの別問題だと思うわけです。
だって英語がしゃべられるからといって国際人ではないからです。
シルバーエッグ・テクノロジーは、社長のトム・フォーリーがアメリカ人でもあり、社員にも多く日本語を母国としない人たちがいます。それだけにコミュニケーションは大変苦労します。両方の言語を理解できる人も多いので、社内会議は、英語と日本語のちゃんぽんになることが多いですが、お互いの言葉がわかるといっても本当の意味が通じているかというとそうではありません。
なぜかって?それは言葉の背景にある文化が違うので、言葉を翻訳しただけでは理解できない部分があるからです。一番欧米人に通じにくいのは日本人の精神論ではないかと思います。たとえば、「みんなが頑張っているんだからあなたも頑張ろうよ」というと日本人なら何となくわかってくれる部分がまだある。でもこれをいかにきちんと英語に訳して欧米人のスタッフにいっても、「みんなと自分は別の人」ということで理解しない場合が多いと思います。欧米人にいう場合ですと、「自分も頑張ることによってそれがどのように組織全体にプラスとなるか、また、それがひいては自分にもプラスになる、から○○をあと何時間でやってくれ」ぐらいの具体性をもった話をしないと理解しないでしょうね。
なので私は、国際化の一歩は、バイリンガル(bilingual)よりもバイカルチュラル(bi-cultural)だと思うわけです。
外国人を採用するといっている日本企業が増えているようです。それはそれなりによい傾向だと思いますが、外国人が職場でいるから、また英語で会議するから会社が国際化しているのではないことを、われわれはもっと知る必要があります。