今朝の日経新聞に、米コロンビア大学教授ジェラルド・カーティス氏へのインタビューのかこみ記事がのっていました。
内容は現・民主党政権についてです。
マニフェスト(政権公約)にがんじがらめになっているように見えるが、という質問に対して、
「公約は方向を示すものだ。絶対に守るというなら政治はいらない。政権を取り、景気が予想外に悪いなどの状況があれば、政治家の判断は変わる。なぜ変更するのかを説明する義務は生じるが、鳩山由紀夫首相に問うべきなのは、対応能力、指導力、決断力、先見性などだ。場合によってマニフェストを守らない勇気を要する」
というのがカーティス教授の答えだったのですが、これは、経営にもまさに同じことがいえると思います。
ベンチャー企業の場合は、投資会社から投資してもらうことが多いです。投資会社側が投資を決めるのは、そのときの事業計画書に書かれた内容をベースにするのですから当然といえば当然ですが、投資後の事業がどうなっているのかについての判断は、事業計画書に書かれたとおりにことが進んでいるかがチェックされます。
できていなかった場合、当然ですが厳しい対応となります。
事業計画書にかかれた内容は、投資を受けるためのお約束事でもあるので実行をするのが大前提ですが、あまりそれにしばられてしまうと、事業環境に合わない内容を実行するはめになるという危険性も免れないと思います。
一度計画を立てたら何がなんでもそれをやりぬくのが当然である、計画性がビジネスには求められるというメンタリティは一般的であると思います。目標管理制度なども、計画どおりに事をすすめて目標を達成するということがありきな制度です。もちろん、計画がころころと半ばで変わっていれば、計画にはならないわけで、計画は必要なのですが、まちがった計画を、「計画として決まったものだから」という理由で、見直しもせずにただ実行するのは愚の骨頂であるはず。
政治にしても、経営にしても、環境の変化にどう適応し、対策をたてていけるかという能力が問われる時代になっていると思います。
『朝令暮改』という言葉は、政令がころころと変わるべきではないというところから生まれた言葉のようですが、現代のように環境の変化が激しい場合においては、『朝令暮改』もありだということです。