レコメンド・エンジンは簡単に作れるものなのか。
答えはYESです。
なぜならば、「レコメンド・エンジン」の範疇には、DBから単純に売れ筋をひっぱってくるものようなものから、次のユーザ−行動を「予測」してコンテンツを提示するものまで、本当に松竹梅とレベルがいろいろなので、作ろうと思えば簡単に作れるわけです。
Dr.リック・ハンガートナーという、もともとクレイにいてスーパーコンピュータを扱っていて現在マイストランドのチーフサイエンティストの方がいらっしゃいますが、彼はレコメンドというものを考えるにあたり、次の3つが重要だとおっしゃってます:
1)サイトのユーザーのニーズをとらえることのできる効果的なモデル(プログラムとしてのモデル)が作られていること
2)きちんとニーズにあったレコメンド表示ができるような質の高いデータがとれること
3)押し付けがましくない方法で、個別ユーザーのニーズを簡単に素早く判断できること。
それぞれがただ単に「統計学的によいアルゴリズム」とか、「たくさんのデータ」が必要とか、「シンプルなユーザーインターフェース」ということではなく、将来において、レコメンドというものは、顕在化しているユーザーのニーズそして潜在的なユーザーニーズを取り入れることができるような技術に発展していくだろうと述べています。そして、それでこそ、真にその価値を発揮することができるのです。
私が思うには、
ただ単におすすめする「もの」を表示する、と考えるのか、
それとも、
ソーシャルネットワーク的傾向がますます強くなる=ユーザーが主体となったウェブの世界において、どのようにユーザーに対してベストな「もの(コンテンツ)」をベストタイミングで表示することによって、(私の)サイトが提供しているものの価値を、(私の)ユーザーにより理解してもらえるようにできるか、と考えるのか。
これらの考え方のどちらに立脚して、レコメンデーション・エンジンの開発に取り組むのかで、結果としてのエンジンは大変異なるのは当たり前、ということです。
サーチエンジンでユーザーが探しているものを「見つける」。その後の次のステップをユーザーのために「発見」するのがレコメンドエンジンです。
「これを買われた方はこちらも買われました」に代表される現在の「おすすめ」表示。この小さい枠に、実は、サーチエンジンの次のウェブのキーワードが隠されている。このこと念頭におきながら、レコメンドエンジンの開発のあり方を考えていくべきしょう。
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