◆パーソナライゼーションとは
パーソナライゼーションとはコンピュータを使って顧客個人についての情報を収集し解釈し、その情報を用いて1対1を基本として顧客ニーズに対応していくことだと定義することができます。簡単にいうと「サービスの自動化」ともいえるでしょう。
広義な意味におけるパーソナライゼーションには、レコメンデーションも含まれるのですが、今では、パーソナライゼーションというと、どちらかというと、個別ユーザーのその人の名前でよんだり、ページの色などをユーザーがカスタマイズできる(以前にカスタマイゼーションとよばれていたもの)ことを指すようになっているようです。
レコメンデーションが10年前ほどに第1次のブレークをしたときは、サイトのパーソナライズの手段として、サイトにおいて個別のお客様にあわせた商品や情報をおすすめする「レコメンデーション・システム」という認識が大勢でした。
これには、アマゾン・ドット・コムがパーソナライゼーションの導入により成功したことが注目を集めたことによるのだと思います。
そのアマゾンのCEOのジェフ・ベソズさんのインタビューでのおもしろいコメントがありましたので紹介します。
「我々のサイトでは、読者が本を見つける手伝いをするだけでなく、サイトにおける閲覧パターンをベースに、つまり、読者が本を見つけるのではなく、本が読者を見つける手伝いもする。あるとき、禅の本のページだったが、おすすめの中に、「机の整理整頓方法」の本がすすめられていた。
人間の編集者であれば、そんな本をおすすめするのは考えられないだろう。でも、統計的に禅の本に興味がある人たちは、「整理整頓方法」の本もほしがっていたのだ。それら2つのものがある意味で似通っていないと人間であれば考えるが、システムはそんなことはおかまいなしだ。
おかまいなしにそれをおすすめして、それがうまくいくんだ。」
アマゾンのサイトは、このようなレコメンデーションをカスタマイゼーションとうまく組み合わせてトータルなパーソナライゼーションを実現しています。ただ、アマゾンはこれを一日で成し遂げたのではありません。現在でも、常に彼らは、いろいろな試みをしています。なぜなら、彼らは、パーソナライゼーションは、継続的な運用が大変重要であることがよくわかっているからでしょう。
パーソナライゼーションは、ある意味では「品質管理」と同じようなものです。その必要性がわかればよりベターなものを追求しようとする思いはますます強まり、ひいては、ビジネスのやり方自体にまで影響を及ぼしていくのです。
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