『海賊とよばれた男』百田尚樹著は、出光興産の創業者・出光佐三氏を
モデルにしたノンフィクションですが、ある上場企業の社長さんに
おすすめされて読んでみました。
本当に感動しました。これぞ日本的美徳であると感じました。
この本の主人公である国岡氏の生きざまを見ると、
自己防衛しか考えていない官僚や政治家が跋扈する国においても、
経済人が確たる信念とビジョンを持ち行動にうつすのであれば
必ずやそこに道は開けるという新たな希望がわいてきます。
もうひとつこの本で読みとれるのは、近代史における「石油」の影響度の大きさです。現在の世界情勢においても多くの紛争や戦争はもともと
石油=力の源に端を発していますが、この本に書かれているように
第1次世界大戦から石油争奪戦が始まり、しかも第2次世界大戦における日本の
東南アジアへの侵攻も石油を求めての動きであったというような
ところは、近代史を新たな視点から考えることができるきっかけとなりました。
現在でも、石油という名の権力闘争が世界で続けられており、
またその石油を燃やすことによって出る環境破壊も深刻な
問題となっています。
政治家や官僚による政治が機能しなくなってきている今、
ビジネスに携わる我々に求められているところは
大きいということです。
『海賊とよばれた男』---この本は、そんなシグナルを
われわれに伝えようとしているように思えます。